今、台湾では旧正月の締めくくり“元宵節”の「ランタンフェスティバル」が各地で行われています。
色とりどりの提灯(ランタン)はもちろんのこと、たくさんの飾りランタンや各地の特色やその年のテーマを表したランタンオブジェが登場し、夜の街を彩っています。
今年(2022年)は、新北市で行われている「2022新北市ランタンフェスティバル」に日本のランタンエリアが登場していますよ。
新北市の西側、台北市とも近い、三重区の新北大都会公園で2月28日まで開催中の「新北市ランタンフェスティバル」では、「燈會劇場(ランタンフェスティバル劇場)」をメインテーマとして、新北大都会公園を大型の劇場と見立て、7つのテーマエリアを設け、それぞれに物語を紡いでいます。
そのうちの1つ「花燈嘉年華(ランタンカーニバル)」というテーマエリアは、新北市と日本のランタンチームが手を組んで展開していますよ。
日本の各県から、それぞれの県の特色を表すようなランタンが登場し、桜や鳥居、ダルマに招き猫といったランタンが迎えてくれる、“台日友好”エリアとなっていて、まだまだ日本に旅行に行けない今、日本の雰囲気を楽しめるとして注目を集めています。
そして、2月11日から台北市の士林で始まった「2022台北ランタンフェスティバル」にも、「台日友好の橋」と宮城県から「こけし」のランタンが設置されていて、ランタンでも日本と台湾の友好を繋いでいます。
さらには、毎年、台湾各地で持ち回りで行われる政府主催の大規模なランタン祭り「台灣燈會(台湾ランタンフェスティバル)」でも日本からの作品が注目を集めています。
この「台灣燈會」、今年(2022年)は、台湾南部・高雄市が担当で、高雄市の「愛河灣」と「衛武營」の2つの会場をメイン会場として行われているんですが、そのうちの「衛武營」会場の「童趣光樂園(キッズエリア)」の広い芝生に、25メートルもの大きな“人が寝っ転がった姿”のオブジェが登場しているんです。
しかも、なぜかみんなもその近くに一緒に寝転がっていて、話題となっています。
これは、実は日本のアーティスト鈴木康広氏による作品「空気の人」で、目に見えないものを透明素材でできた人の形であらわしているインスタレーションです。
「六本木アートナイト」でとても人気の作品を、この「台灣燈會」のために作ってもらったんだそうです。
日本のアート作品にも注目している人が多い台湾、この「空気の人」が「台灣燈會」に登場すると聞いて、早速多くの人が駆けつけ、一緒に寝転んでアートの世界と、また違った角度から見るランタンフェスティバルを楽しんでいます。
一般の人だけでなく、著名人も多く駆けつけているようで、高雄市議の黃捷・議員も一緒に芝生に横たわって「空気の人」とのツーショット写真を撮っていました。
黃捷・議員は、木村拓哉主演のドラマ「ロングバケーション」が一番好きなんだそうですが、そのドラマの中の好きなセリフ、「俺さ、いつも走る必要ないと思うんだよね。あるじゃん。何やってもうまくいかない時。何やってもダメな時。そういう時は、なんというのかな、言い方変だけど、神様がくれた『お休み』だと思ってさ。『無理に走らない』、『焦らない』、『頑張らない』、『自然に身を委ねる』」を紹介し、「空気の人」の様に疲れたら横になって花や木を楽しみ、充電して前に進む。みんなも“負けない空気の人”になれるとコメントしています。
ちなみに、この「空気の人」、毎晩、ランタンフェスティバル終了後には、スタッフが空気を抜いて片付け、翌日の午後3時になると再び広い芝生に戻ってきて、およそ1時間かけて膨らませ、午後5時半頃になると一緒に寝っ転がって楽しめるようになっているそうですよ。
台湾の「元宵節」の伝統的なイベント「ランタンフェスティバル」を、日本の作品たちも様々な形で彩っています。