
文化部の史哲・部長が、中正紀念堂の存廃問題について、新しい時代の方法で思考すべきとの見方を示しました。
228和平記念日である28日、蒋介石・元総統のメモリアルホールである、中正紀念堂の存廃問題やモデルチェンジが、台湾の移行期の正義に関する議論の焦点となっています。日本の文科省に類似する、文化部の史哲・部長は28日、政治系youtube番組の独占インタビューに対し、「中正紀念堂のモデルチェンジに関する討論は、長いこと行われてきた。この期間、文化部では2人の部長が就任したが、はっきりとした進展はみられていない」と指摘、そして、「これだけの長期間、押し進めることが困難となっていることには明確な理由がある。これが壮大なプロジェクトで、進めることが容易でないからだ」と断言しました。
史・文化部部長はそして、幼い頃、中正紀念堂を参観した際、館内の展示物の一つに、蒋介石・元総統が記した三角関数のメモがあったことを記憶していると述べ、「これはまさに神格化」といえるものだと指摘しました。そして、現在は既に展示されてはいないが、はっきりと覚えているとして、「これは、私の記憶力がいいという意味ではない。当時、1000万人に上る小学生が中正紀念堂を参観させられ、権威体制下で作り上げられた偉人を目にしていたということを意味する。民主的で自由かつ開放的な社会においては、尋常ではないことだ」と強調しました。
史・文化部長はその上で、中正紀念堂の一帯は現在、市民の憩いの場となっており、多くの観光客もおり、観光や娯楽といった要素を持ち合わせているとして、新たな時代の方法をもって思考しなければならない、との考えを示しました。
史・文化部長は「この件は、深く考えなければならない状況となっている。我々は一体どのような手法、方法で、台湾の移行期の正義を成し遂げるのか。この中正紀念堂について、私が言えることは、これは進行中の事柄であるということだ。その手法、方法については、より新たな時代に即した考え方をしなければならないだろう」と述べました。
史・文化部長はまた、中正紀念堂とその一帯は、権威体制下において、綿密な計画をもって配置がなされているとして、蒋介石・元総統の銅像が望む方向には、両廳院(ナショナルシアターとナショナルコンサートホール)の2つのホールがある。これは国家の舞台芸術の殿堂であり、この事が象徴するものは、単純な政治的なアイコンにとどまらない、と指摘しました。
(編集:駒田英/王淑卿)